技術経営士ジャーナル
技術経営・余話

「設計力Ⓡ」とはやりきる力42

少し前になりますが、大いに興味を引く新聞記事がありました。「国立天文台などの研究チームが、天の川銀河は中心付近にある天体も、中心から約5万光年離れた外周付近の天体もほぼ同じ速度で銀河中心を軸に回っている。宇宙にある質量の多くを占めると考えられる「暗黒物質」が大量にないと説明できない現象と、発表した」。

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「設計力Ⓡ」とはやりきる力36

欧米や中国など相次ぎ、自動車の電動化に向けた方針を打ち出しています。日本もしかりです。電動化はまだ先との感がありましたが、あっという間に様変わり。中小企業の経営者の方々も、5年、10年後に自動車部品がどのように変わるのか、今受注している部品は減るのか、どうなっていくのか、見通す必要性が高まっています。

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「設計力Ⓡ」とはやりきる力35

「今期こそは・・」との「思い」を持たれた方も多いでしょう。それにもかかわらず、その思いがもう地平線の彼方に沈みかけていないでしょうか。「年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず」。新たな期は必ず訪れますが、同じ思いで迎えられるとは限らないのです。できれば、前期は頑張った、今期は一層良くしようと、前向きな思いを持ち続けたいものです。

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「設計力Ⓡ」とはやりきる力31

5月も下旬、既に入社され設計部署へ配属となった方もみえるでしょう。私も入社当時の職場は自動車部品の設計でした。ところで、仕事柄、これまで1000人以上に「図面は誰が描くのか」と問い掛けました。返ってきた答えは全て「設計者」でした。設計は設計者だけで完結するとか、CADで図面を作成することが設計との思いの表れでしょう。

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「設計力Ⓡ」とはやりきる力29

「あなたは設計のプロフェッショナルですね」と問いかけられたら何と答えますか。今回は、「設計のプロフェッショナルとは、あなたのこと」を取り上げます。10年あまり前になりますが、NHKの「プロジェクトX」という番組で、燃料電池車(FCV)の開発を取り上げていました。番組では開発に必要な「思い」を、さまざまな場面と絡めて紹介していました。

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「設計力Ⓡ」とはやりきる力26

自動車部品メーカーで設計に携わっていた頃を振り返り、そのスタンスを一言で表現せよと言われれば、「手抜きをしないこと(手前味噌で恐縮―)」と答えます。だが、これは素晴らしい成果を出したということではありません。むしろその逆で、設計は失敗の繰り返しでした。やっとのことで量産(生産開始)にこぎつけた部品で半端ではない赤字を出したこともあります。設計の経験はまさに悪戦苦闘、修羅場の連続でした。だが、逃げることなく取り組むことで設計について多くのことを悟りました。それがこの連載「設計力」です。

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「設計力Ⓡ」とはやりきる力25

「提案型の設計をしたいのですが・・」と問いかけられる。筆者は、顧客の「真のニーズ」を見極めていますか、と聞き返します。「真のニーズ」とは、組み付けやすくしたい、もっと高速で動かしたいなど、顧客にとっての「うれしさ」です。うれしさをつかむと「提案型の設計」が可能となります。このように設計すれば、こんなうれしさが見込めますと、顧客へ投げかけることが出来るのです。こうです。顧客の現場で部品の組付けに立ち会ったが、作業がしにくいようだ。そこで「先端を面取り形状にすれば、スムーズに組み付きます」、と言う。このようにうれしさ、つまり真のニーズを見出し、顧客へ投げかける。これが「提案型の設計」の基本です。

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「設計力Ⓡ」とはやりきる力24

「原価を半減しないと・・」と追い込まれたことはありますか。筆者の苦労話です。80年代中頃、温度センサーの設計を担当しました。それは、数個の部品からなる、コイン1,2枚で済む安価でシンプルな車載製品でした。ジャパン・アズ・ナンバーワンと騒がれていた当時、円高が急激に進みました。海外製品との競争が激しくなり、撤退を考慮する事態に追い込まれたのです。しかし、その製品の担当であった筆者としては切なく、なんとか生産を続けたかった。

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「設計力Ⓡ」とはやりきる力21

仕事柄、設計担当者からしばしば次のような相談を受けます。「忙しくて、職場で決まっている設計プロセス(手順)をこなすことができない。何か良い方法はないですか」と。こう聞いてくる人は「忙しければ、手順を飛ばすしかないですね」という回答を期待しているような気がします。しかし、私の答えは決まっている。「設計手順は職場のルールです。やるしかありません」。

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「設計力Ⓡ」とはやりきる力20

設計者のあなたは「無から造りだしたものがあるか」と問われたら何と答えますか。私は今、机に向かってパソコンでこの原稿を作成しています。上を向くと蛍光灯が目に入り、横を向くと壁と窓…。私たちの周りは物であふれている。人間は実に多くのものを造ってきました。しかし、無から造りだしたものはあるかと問うと、「何もない」ということに驚きを持って気づく。何のことはない、私たちは地球にあったものを吸い出し、掘り出し、生えているものを伐採して、それらを加工してきたのです。限りなく複雑・高精度な加工もあるでしょう。だが、所詮私たちの周りにもともと存在するものに手を加えただけです。

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「設計力Ⓡ」とはやりきる力19

仕事柄、設計担当者からしばしば次のような相談を受けます。「忙しくて、職場で決まっている設計プロセス(手順)をこなすことができない。何か良い方法はないですか」と。こう聞いてくる人は「忙しければ、手順を飛ばすしかないですね」という回答を期待しているような気がします。しかし、私の答えは決まっている。「設計手順は職場のルールです。やるしかありません」。

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「設計力Ⓡ」とはやりきる力16

自動車部品メーカーで設計を担当していたときの経験です。顧客の自動車メーカーから、「雨の降り方に応じワイパースピードが自動で変わるシステムを搭載したい。主要部品となるセンサーを開発して欲しい」と声をかけられました。そのセンサーで雨がパラパラ降っているのか、ジャージャーなのかを判断するのです。

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「設計力Ⓡ」とはやりきる力1

今や製造業は100年に一度の変革期に突入した—。IoT(Internet of Things)や人工知能(AI)など新たな技術が登場し、ものづくりの世界を劇的に変えつつあります。とはいえ、どのような技術が登場しようと、製造業の基本に変わりはありません。それは、競合企業に対し品質やコストの面で「優位性」を確保し、お客様の「信頼」を保ち続けることです。この普遍的な課題の要となるのが、一つにはカイゼンなどの「現場力」、もう一つには設計段階をやりきる力「設計力」です。「現場力」と「設計力」は「ものづくりの両輪」です。

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