「日本産業の将来のあり方の提言」まとめ
「技術経営士の会」では、毎年度、議論すべきテーマを決め、会員相互で話合った結果をまとめて、「技術経営士ジャーナル」に掲載し、ひろく社会に訴えてきている。2024年度は、「日本産業の将来を考える – 30年間の空白を反省しつつ –」と題して、1年間議論を続けてきた。その結果は、2024年3月13日からこれまで16回に渡って掲載してきた。
「技術経営士の会」では、毎年度、議論すべきテーマを決め、会員相互で話合った結果をまとめて、「技術経営士ジャーナル」に掲載し、ひろく社会に訴えてきている。2024年度は、「日本産業の将来を考える – 30年間の空白を反省しつつ –」と題して、1年間議論を続けてきた。その結果は、2024年3月13日からこれまで16回に渡って掲載してきた。
今後国内の鉄道輸送需要は、人口減少を初めとする市場環境の変化により大きな進展を期待し難い。2013年、政府から鉄道インフラシステムの国際市場進出の方向が示されたので、その戦略を中心に方策と課題について述べる。
運輸業を支える航空機産業と、鉄道車両・インフラ産業の国際競争力向上への取組みと今後の課題について考えるため、この点について井上健会員(元JR東日本)が取り上げる。この2点(航空機と鉄道)に関して、バブル崩壊以前に特に栄光の時代があったわけではないので「失われた30年」という特徴はない。
「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」と言われる事があるが、経験から読み取る点が有ると信じている。そこで自ら関与してきた事業の一部の「情報通信事業、IT事業」の端々で実感してきた事を題記の趣旨に沿って書いてみる。
「失われた30年」とも言われる過去を振り返りつつ、今後の日本産業の活性化のためには何が必要かを情報通信分野の視点から考察する。
デジタル技術の利用の遅れ、GAFAの席捲、コロナワクチン開発の遅れ等々ジャパンアズナンバーワンと言われた日本という先進国はいったいどうしたのだろうか。ワクチン接種のスタートが米国、英国、イスラエル、ドイツ、フランス、ロシア、インド、中国など力のある国の後塵となったことは、記憶に新しい
総務省チームとしては、総務省の政策紹介は、昨年6月に総務大臣に答申された情報通信審議会の「2030年頃を見据えた情報通信政策の在り方」の紹介にとどめ、総務省の政策にとらわれずに、メンバー(寺﨑、宇治、森田)の『日本産業の将来を考える-30年の空白を反省しつつ-』を主題としつつ、原稿や論点を個々に執筆した。
①若者が安心して研究キャリアを選択できる環境整備を国全体の制度的対応として考えるべき。大学と交付金を交付する国は、パーマネント研究職を抜本的に増加させるべき。②実績のない若手にも積極的に自由な研究機会を与え、失敗しても再挑戦できる環境を提供すべき。
官民問わず、研究開発投資の抜本的拡充に全力で取り組むべき。特に、先進諸外国に比較して伸び率に大きな差がある政府研究開発投資については、10年で倍増を目指すべき。
研究開発を支えるのは、最終的には人であり、特に若い人が、やる気を持って科学技術分野で活躍できる環境を作ることが最も重要である。
前回、国際的存在感を失った日本の科学技術力について、その失敗の背景となった8つの要因を示したが、今回から2回にわたりそれぞれの科学技術力劣化の背景となった要因について、より詳細に報告する。
かつて世界を制覇した日本のコンピュータ、半導体等の分野は今や世界から周回遅れで取り残され、日本技術とそれを基礎とする産業の国際競争力の低下が懸念されている。
最先端を行く「日本の高齢化、過疎化と過度の集中化」の状況下で、人材不足や人手不足の解消、ベテラン医師やベテラン看護師の知恵の継承などを、ICT・技術やロボット技術(ドローン含む)などを駆使した「日本ならではの施策と工夫」で解決し、グローバルに豊かな「医療・介護」の実現に貢献する。
自組織のビジネスを磨くために、他の取込みでさらに強くするだけでなく、米国のオープン化とは違った「日本の企業文化・組織文化の上に立った異業種企業・異種組織の緩やか協業・共創の中で持てる良さをそれぞれオープンにして、イノベーションを産む場」を形成する「新しい産業レジームの創設」を提言する。
世界にはない日本らしさ、日本の良さや強みである安心・安全、健康社会、環境重視、地道な磨き上げなどを活かし、「人に優しく、地球に優しい社会」を形成する。
「失われた30年」の停滞要因を、内的要因:「日本の組織・体質」、「日本の特性・文化・社会」、「日本の政策の失敗(法体系含む)」と外的要因:「外的要因・圧力」に分類・整理した。 停滞要因の詳細は、添付表(停滞要因のカテゴリー別分類一覧)を参照されたい。
1990年代以降、日本経済は長期停滞しており、「失われた30年」と言われている。技術経営士の会のサロンⅢでは、こうした日本経済の低迷状況からの脱却を図るために、「停滞の要因」を分析し、次の30年間の日本産業のあるべき姿とそれに向けた道筋や方向性を探るべく検討を行った。