いろりばた 観望庵 Vol.26(高島秀行)
近頃嬉しいことと、腹立たしいことを述べる。嬉しいことは、押しなべて各分野で「若手の台頭」である。
近頃嬉しいことと、腹立たしいことを述べる。嬉しいことは、押しなべて各分野で「若手の台頭」である。
安倍元総理の国葬の是非で、国論は二分した。国会の手続きを踏んでないとか、税金の無駄使いとか、しかし決定打は、統一教会がらみであろうか。
先日、久し振りにサンデル教授の白熱教室をTVでみた。日、中、韓の大學生数人づつの三か国を繋ぐテ レワーク形式で、テーマは、「民主主義は時代遅れか?」といった、挑発的なものであり、多分に中国を意識し たものであった。 前に戻したようである。今に生きるウクライナ人の犠牲と破壊された都市は悲惨で、同情を禁じ得ない。
二月に勃発したウクライナ戦争は、終る気配がない。ロシアの暴挙はネオナチ撃退と称し、歴史を八十年も 前に戻したようである。今に生きるウクライナ人の犠牲と破壊された都市は悲惨で、同情を禁じ得ない。 以前にも本欄で触れたかもしれないが、今でも宗谷海峡を望む稚内に立つ碑文「みななさんさようなら」の石碑を思い出す。
オリンピック、パラリンピックの熱戦が終わり、各アスリートの熱戦は、大きな感動を与えた。同時に、彼らの衣食住、輸送から表彰式の進行に至るまで、舞台裏を支えた数千人のスタッフやボランティアにも、敬意を表したい。問題がなくても褒められることは無く、何か起これば批判される。大変な努力の賜である。まさに壮大なイベントであった。
長かったアメリカの大統領選がやっと終わった。両巨頭の対決は凄まじい。西部劇を見ているようだ。ただ西部劇は善玉と悪役がはっきりしていて、ハラハラドキドキしながらドンパチを楽しめば良いのだが、アメリカの大統領選は、善悪を越えてトランプの攻撃が常軌を逸していた。
昨年の最大の話題は新型コロナだった。一隻のクルーズ船から始まったコロナは、瞬く間に日本中に広がった。治療薬がない上、コロナの素性や能力が分からない。そのため、何でも自粛で経済活動は停滞し、仕事が無くなれば、社会も家庭も持たない。コロナの死者よりも、自殺者の方が多いとも。それでも、世界的には桁違いに影響が少なく、ファクターXは謎である。東南アジアや台湾も少ないので、人種的、或は島国効果かもしれない。
近隣の二国、中国と韓国は、コロナ同様全くたちが悪い。ヘイトスピーチとしないために敢えて固有名詞で言えば、習近平主席と韓国文(ムン・)在寅(ジェイン)大統領が「約束を守らない」のは容認できない。
全国的な新コロナの緊急事態宣言が解除された。行政は、二波、三波に備え、ゆめゆめ油断めさるな、と弛みタルミに警鐘を鳴らし続けるが、一段落は一段落である。
地方の活性化について考えたい。最近TVドラマを見ていると、志賀言葉指導とか茨城言葉指導とか、方言指導が盛んにでてくる。朝ドラの出演者の対談でも、一番苦労するのはその土地言葉のアクセントだそうで、テープにとって期間中いつでも聞いて自然にそうなるように努めるそうだから、並大抵なことではなかろう。
「AI」(人工知能)なる言葉が流行っている。流行語大賞にこそならなかったが、それだけのことはある。 初めは囲碁、将棋の世界でメキメキ強くなり、プロの棋士を負かせて同好者を驚かせた。高齢者の自動車事故が増えるにつれてか、電気自動車にAIを搭載した人工自動車が便利で安全、とデモを始めた。医療や、生産現場でも多々その活用が進みつつあり、開発されているようだ。
世界の色々な所で紛争が絶えない。中東ではイランの核問題、EUは英国のブレクジットのみならず、北朝鮮の核問題、韓国のしょうこりもない反日運動、中国の海上覇権に加え少数民族への迫害。アメリカはアメリカで自由貿易を公然と否定する。
いよいよ令和の時代が始まった。その影響かどうか、昨今、万葉集や古今和歌集など古典本が良く売れている由である。そんなこともこれあり、先般、まず演奏されることの少なかった北原白秋作詞、信時潔作曲の交声曲「海道東征」の演奏があるというので、聞きに行った。
政府は、我が国の好景気は戦後最長の六年を超えたところで一服、と言っているが、流石に、誰も神武景気、いざなぎ景気の時ように神様の名前を持ち出さない。庶民の声として、実感がない、と伝えているので相応しくないのは当然だ。
平成は三一年半ばを以て幕を閉じる。もとより天皇の生前譲位によるものだが、生前譲位は歴史的には珍しい事ではない。かつては、為政者は元号をいつでも、自在に変えていた。
昨年、世相を賑わせた重大ニュースは人様々であろうが、観望庵は、各地で猛威を振るった自然災害、癌の救世主になるかもしれないノーベル医学賞の受賞、また、平昌オリンピックを始め、テニス、バドミントンなどでの若い諸君の輝かしい活躍などが印象深い。しかしスポーツも明るい話題だけではなかった。相撲にアメフット、ボクシングでは、相続くように暗黒面が露見した。
先般、縁あって、今サハリン、昔の樺太に行った。サハリン州旗は、サハリンと堂々北方四島を含むアリュシャンの島々まで地図一面に染め抜かれている。州都はユジノ・サハリンスクと言うが、昔の真岡、豊原一帯である。
昨今、セクハラだ、パワハラだの類(たぐい)がやたら増え、ゆゆしきことである。マタハラ、パタハラ、ケアハラ、等何でもハラスメントのオンパレードである。中でもセクハラは男女の性差から来るもので、男女の機微に触れるので批判しずらいやっかいなものである。
承前ながら、再びオリンピックの話。まだ、相当先と思わんではないが、東京オリンピックまで後何日と表示灯が出て、各観光地随所でWiFi多言語対応や、ボランティアガイドの募集など準備は始まっている。TVスポーツ番組などで煽るものだから、何故かオリンピック気分になってくるから不思議だ。
税は、古今東西、永遠の課題であろう。税がなければ共同体は存立せず、国防も福祉もないので、取る方は強権で、或は策を凝らして取る。
前々回の「いろりばた」で、観望庵は“忖度”“は今年の(昨年の)流行語大賞ではないか、と言い、珍しく当たって嬉しいが、もう片方の大賞“インスタ映え”は恥ずかしながら、全く知らなかった。即席ラーメンの類いかと思ったら、インスタグラムからきているそうで、なお難しい。パワハラとかスマホとかのカタカナ表記は、一体何語なのか?
新聞によれば、昨年10月現在で、58ヵ月間の好景気の長さは戦後2番目の長期と言う。デフレ脱却もままならぬ中で、ほんまかいな、という気がしないでもないが、そのこと自身に難癖をつける気はない。
今年の流行語大賞は「忖度」かもしれないと思うほど、世の中「忖度」「忖度」とかしましい。かてて加えて「ご意向」があったとか、なかったとか。
先般総務大臣からお達しが出て、いわゆる「ふるさと納税」の返礼品の自粛が要請された。そのせいかどうかわからないが、納税額が減ったそうだ。規制が強化され、返礼品は寄付額の三割以内、また工業製品はダメとか。実際、確かに、故郷以外でも、おいしそうなモノがあれば選んだりして寄付するので、到底ふるさとへの寄付、とはいえないだろう。趣旨が違う、ということでお役人らしい律儀さではある。
IR法案なるものが議論されている。俗称カジノ法案と言われている。世に公営ギャンブルの競輪、競馬があって、カジノが何故違法なのか、素人目にも不思議である。